通訳者は「通訳」するだけ?

第三章【迷い・不安】

2008年の修士課程を終える頃、どのように本格的に仕事をしていくか悩みました。19歳から自分で生計を立てていましたが、日々の生活が成り立つだけでなく、そろそろ貯蓄も欲しい頃。

また、トヨタ社をはじめ、様々な企業通訳・翻訳のお仕事をいただいて感じたことは、「通訳者・翻訳者として能力的には向いているけど、性格的には向いていない。自分で何かスキームを考案してサービスを提供したい。」

チェコ在住日本人、大卒で専門知識・技術が豊富なわけでもないため選択肢は限られていました。

1チェコの日系企業の従業員になる。

→通訳が主で、駐在員補助(生活立上げ、住宅やご家族の生活に必要なサポート)などがメイン。

2フリーランスで通訳・翻訳業務を続ける。

(内心)

・ジョブ型のチェコで従業員となり職務分掌にとらわれた仕事しかできないのは嫌だなー。駐在員のお世話よりももっと難しいことがしたい(すみません)。

・通訳・翻訳は「受け身の仕事」。自分から積極的にアクションを取ることができないのは物足りないなー。

そこで、「したいことを全部トライしてみよう」と少し違った道を選ぶことにしました。通訳・翻訳業務に事務業務・コンサルタント業務を追加。

在学中に実務や必要な知識も賄っておいたので、後は「使ってあげよう」と思ってくれる企業を探すまで。

リクルート会社に登録しましたが、「従業員枠でしか採用できない」といった企業がほとんどの中、一社だけ「面接で説明を聞いて問題がなければ委託契約でも構わない」と仰ってくれたところがありました。日立家電チェコ

面接では、チェコ人の採用担当者の方と軽くお話をし、日本人の人事総務担当の女性の方ともお話しをしました。そして、最後に日本人の副社長様とお互い計算機を取り出しながら、面接という本題からも離れて、チェコの法規や税務の仕組み(所得税、人件費計算)などについて様々な議論を交わしました。

結果は・・・、「従業員よりも従業員らしく働く」ことを条件に、長期の委託契約を締結いただくことができました。

↑「条件」と大袈裟に書きましたが、いわゆる「紳士協定(gentleman’s agreement)」です。今の時代だと、「従業員らしくって何?」「紳士協定?ダイバーシティの視点からネーミング・アウト」という印象も与えてしまうかもしれませんが、当時、とても嬉しかったですね。

契約形態は私の希望に添えて委託契約。ただ、働き方としては、従業員のように仲間として深く関わっていこうね、とことん会社に尽くしてねとの意。

嬉しい反面、「仕事はなんだか大変そうだなー」と第六感が感じ取ったようでしたが、実態は?(つづく)

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思い出の写真:2019年の名古屋・静岡・東京弾丸出張時の週末ランチ。チェコで一緒にお仕事をさせていただいて以来色々と気にかけていただけていることに深謝します。

第一章および第二章は、こちらからどうぞ!

https://www.sakamotonamiko.com/日・チェコ通訳業務はまだaiに越されない?/

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