「多様性」と言われても・・・
こんにちは、阪本なみ子です。
選挙の投票率が高く盛り上がる週末のようです。
午前の調査結果からは、ANO党が二位の中道右派Spolu党を微差で上回っています。
その一方、「SNS上の統計」にトライしている個人の方も多いようで、「独自調査結果」などを見るとSpolu党が優位とのこと。様々なことをしている方がいて面白いと感じますが、投票率が高いのはいいことですね。
一方、先日の新規感染者数は1000人を上回りました。また、ゼマン大統領のご様態が悪化し「チェコ軍を統率すべき大統領が任務を履行できない状態で、この国はどうなるのか?」といった批判も浮上しています。
チェコ保健省統計サイト
選挙後、新たな規制や法改正や年末まで大忙しのように感じます。
さて、「多様性」や「ダイバーシティ」という声が高まってまいりましたが・・・、では一体何をすればいいの?と感じている方も多いのではないでしょうか。
日本在住の方に多く共感いただいた私のSNS上のコメントはこちらです。
確かに日本にいては、「何のため?」と問いかけてしまうかもしれませんね・・・。
毎日違う肌、髪、目の色の方々を見ていて、男性同士が手をつないで歩いているのに(時々)遭遇すると・・・、それそのままを受け入れればいいのではないか、逆にそれに対して何か権利を制限する必要があるのかなと感じます。
他者に迷惑をかけず(嫌がられずに)に自分の好きなようにいられること自体が奇跡のような生活は、割と難しいのだろうと感じます。
「他人のあるがままを受け入れる」というのは誇張し過ぎでしょうが、「他人のあるがままを認める、ちょっかいかけない、批判しない」というのは誰でもできるのではないかと思います。
学生時代に日本でバイトをしていた時に、バイト仲間が男性同性愛者の方でした。仕草などは私よりも女性らしかったのを覚えています。仲良くなり、「正しい女性の歩き方」を教えてもらいました。
チェコ人の美容師さんも同様でした。おしゃれできめ細かい方、インテリアデザインの話をしている時に、「こないだ彼と旅行に行って・・・」と普通に私に話されていました。
チェコだけでなく、欧米人の方と話をする時に、私が外国人(日本人)であることが、多少タブーなことも、フィルターをかけずに話せる理由であることに気づきます。
実際、「多様性」という旗を掲げて生きてきたわけでは全くありませんが、「いろんな人がいていいんじゃない?」というスタンスでした。正しくは、あまり人のことが気にならないタイプです。背が高かろうが低かろうが、ブランド物を羽織っていこうがTシャツ一枚だろうが、「他人事」。なんでもありです。
他人のあるがままを認めるというのは、ある程度人に接しなければ、できないように思えます。一方、社交的でも、オーソドックスな(由緒ある)家庭の方であれば、人や家庭に対する価値観にブレがないといった方もいらっしゃるかもしれません。
チェコではごく一般的ですが、私も含めホームパーティーを開く友人が大勢います。友人の友人、家族、親戚、その他諸々・・・といった多数の方と出会う場です。その場で初めて会って「こんにちは」😊そして自己紹介をしながら他愛無い会話を楽しみます。30人程いると、誰が誰かわからないことも多いのですが、子供も大人も一緒になって話をしたりゲームを楽しめる良い機会です。
あるパーティーで、遠くから見られているなと感じることがありました。
視線の先を辿ってみると、お人形さんのような女の子が。そこで、近づいていって「こんにちはー」と話しかけました。
嬉しそうに笑顔を返してくれて、「何人?」と聞かれました。
その他諸々、プラハで何をしているのか、家族は・・・など根掘り葉掘り質問されました。
何か気になっていることがあるんだなーと。そこで、学校楽しい?と聞いてみました。
うん!今はね。
前は・・・私いじめられてたけど。
見た目が可愛すぎるって?お母さんきっとチェコ人じゃないよね?
その子を見た時の印象ですが・・・お人形さんどころではない可愛さ。十代前半、整った品の良い顔立ちにすらっとした華奢な体つき、大きな青い瞳に長いまつ毛、ブロンドヘア、なんだかすごい人を目の前にしているような印象を受けました。
お母さんはエストニア人。その子はチェコで生まれ育ったのでチェコ語には全く問題なし。同級生の女の子たちから、性格が悪いとか色んなことを言われたそうですが、おそらくは見た目からの嫉妬が一番大きいのでしょう。
大人っぽいのは雰囲気だけでなく、話し方や仕草にも現れていました。そういった「同い年離れ」したところも気に食わないと思われたのかもしれません。
チェコでいじめが発覚した時の対応法ですが、担任に相談して積極的に対応してもらえなければ校長先生に相談。その後改善が見られなければ転校と、早いペースで展開されるように思えます。市内には学校は溢れているので、変更時期なども重要ですが、転校自体(事務的作業自体)はさほど難しくありません。
転校した後は、良い友達ができたとのことでした。
二人で、大変だったねーと「はぁ〜」っとため息をつきましたが、そういう会話をしたかったようで、その後は満足して他の子供たちと遊んでいました。
日本人・・・ということでチェコでいじめられたことはありませんが、「アジア人ってぶさいく」だとかは交換留学時代に言われたことがあります。ヨーロッパ人と比べると、華やかさにかけるかなー・・・。目も細いしゴージャスな作りじゃないし、足短いし。
でも・・・別に他人には関係ないでしょ?見た目がどーのこーのはほっといてくれ!と思えるようになるには、多少時間はかかりましたね。
企業に求めらるダイバーシティは組織的、体系的なものですので、社内規定も含め複雑ではありますが、個人の観点からはシンプルだと思います。そして、そのシンプルな心構え・寛容の積み重ねが社会全体に反映されていきます。
誰かの見た目が自分(たち)と違うからといって、(外国人の)話し方が変だからといって、後ろ指を指す必要はありません。日本人同士でもありますよね、「あいつさー、〇〇で変だよね・・・」ということが。
他人を物差しで測る必要はありませんが、もしそういうことをしたくなった時には、「自分ってどうだろう?」と自分を客観的に見つめてみるとよいかもしれません。
完璧な人なんてそういませんよね。また、自分の見た目が完璧でも、他人にとやかく言う必要はありません。
次のステップは、「法的にどうあるべきか、どういった権利を認めるか」といったことを扱いたいと思いますが、この点についてはまた次回!
長文をお読みくださり、ありがとうございました。
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