Authentic Technology and Tradition
ガラス加工ー伝統技術が与える輝き🇨🇿
教会や聖堂の中で、ステンドグラスを眺めたことはありますか。
特に内陣の上方、ちょうど信者の方々が司祭や司教を見る方向の上部のステンドグラスをじっと眺めていると、日が射した瞬間にステンドグラスの輝きが増し色とりどりの光で溢れ、装飾や司祭が神の御加護を受けているような、その場にいる方皆が祝福されているような印象を与えます。
建築に興味があり、歴史的な建造物を訪れてはその建物に与えられた使命をじっくりと感じ取るのが好きでした。
快適さを求めたお城や宮殿、戦争の多い時代に小高い丘に建てられたお城、エジプトの王家の谷に見られる圧迫感を感じる巨大な石造の神殿建築、日本の神社やお寺、どの建物にも明確な役割が与えられていました。
教会はキリスト教の権力を示すだけではなく、信者が自然と神を信じ、恐れ多いと感じ、敬わずにはいられない、そんな効果が必要です。そこに、ステンドグラスは必要不可欠だったなと教会を訪れる度に感じます。
さて、チェコはオーストリア=ハンガリー帝国時代から産業が栄えていました。しかし、伝統産業であるガラス加工にあたっては、冒頭でステンドグラスをご紹介したように、その発端は中世にまで遡ります。
「ボヘミアガラス」と呼ばれ日用品や工業ガラスとして使用されるものもあれば、「クリスタルガラス」と呼ばれる高級品まで多種多様です。
日本でも、ボヘミアクリスタル、ボヘミアグラス(ボヘミアングラス)として多少有名かもしれません。また、チェコからのお土産として予算は上がりますが、購入される方が多いようにも思えます。
装飾品を扱っているメーカーともお仕事をさせていただく機会はありましたが、まだガラス工房に足を運ぶ機会がなかったため、コロナ禍かつ夏季休暇でひっそりと静まり返ったこの状況を活かし、まずは一つ目のガラス工房にお邪魔することにしました。
手配は全て同僚がテキパキと行ってくれました。木曜日にアポをとり土曜日に訪問。私のスケジュールにはあまり空きがないので、「少しここ時間ができた」というタイミングに上手く当てはまるよう予定を組んでもらうしかありません。「日本とも繋がりが深いんだって」と満面の笑みで報告を受けました。
このように取材を行う際に、事前学習をすることはありません。できるだけ多くのことを直接お伺いしたいと考えているので、事前インプットは少なければ少ないほどよいと考えています。当然、その場で全て伺うことはできないので、さらに資料を提供いただく、ウェブサイトなどで事後チェックを行うといった作業は必要となります。
この度お伺いしたボヘミアクリスタルのガラス工房は、プラハから車で1時間15分程のジェレズニー・ブロット(Železný Brod)という町にあります。
家族経営のシェフチークガラス工房は、現在、従業員が11名。この日はご夫妻と息子さんの三名に対応いただけました。現在は息子さんが社長を務めているとのこと。製造工程を説明いただく際に、使用する材料や工具も一つ一つ丁寧にご紹介いただけました。花瓶一つが出来上がるまでに半年程かかること、一つ一つが手作業のためこの時間は短縮不可能なこと、どれだけ手間隙がかかる作業かを力説される一方、訪問者を退屈させてはならないとその場で加工体験もさせていただきました。
「おもてなしの心」がグローバル共通意識かは難しいところですが、シェフチークガラス工房にとっては当然のこと。なぜなら・・・在チェコ日系企業の御用達でもあり、会社から揃って見学会が実施されているそうです。本来であれば、東京五輪開催に合わせ、日本を訪れ展示会を企画されていたそうですが、日本は現在無査証入国を停止しているといったことも加味し、訪問を断念されたとのことです。
このように、複雑な状況での五輪開催によってビジネスチャンスを失った方は大勢いると伺います。また、チェコへの観光客が減少したことも、シェフチークガラス工房にとっては大きな痛手となりました。
家族経営の小さな工房、大手のように幅広く事業を展開することが大変難しい状況であることを詳細まで伺いました。この場では少し触れ難い内容なのですが、これもウェブサイトからは読み取れないこと、電話で話すだけでは聞き出せない情報だったなと、実際に現地に足を運ぶことの大切さを改めて感じました。
ウェブサイトには日本語の記載もございますので、この場で同じ内容を繰り返しご紹介することは控えたいと思います。https://www.sevcikcrystal.cz/jp/
何か興味のある点などご質問やコメントをお寄せいただけましたら、シェフチークさんにお伝えいたします。
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私の方では、見学および初めてボヘミアクリスタルから賞味したジャスミンティーのお礼に無償で、インスタグラムやTikTokで工房を紹介させていただくことにしました。ここでは、過去に学んだ「発想の転換」を活かし、「伝統技術は素晴らしいもの」という広め方ではなく、「おもしろおかしく&楽しく」に重点を置き、「グラス?興味ない。買わない。」と考えている方も自然と引き込まれるような仕組みを考えています。少しでも興味をもってもらうところから始まる第一歩。
またステキな繋がりが増えたと心が弾み、歌を奏でるようにこの記事が出来上がりました。
ご覧くださいましてありがとうございました!
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