Hot topics as future benchmarks for Eastern Europe?
阪本 なみ子
チェコ
Ryanair

東欧景況がHOTな理由

さて、ライアンエアーの飛行機には、他の航空会社の飛行機には備わっていないものが備わっています。

何かご存知でしょうか?

といったように、ググるだけでは得られないニッチな情報を持つことが、今世のビジネスパーソンには求められています。

それにしても東欧がホットなのはロシアによるウクライナ侵攻のためですが、「軍需」という漢字通り、一部の産業が潤っていることも感じます。

また、この機会にNATOへの加盟を申請するフィンランドやスウェーデンという国があれば、難癖を付けここでも利益を得ようとするトルコがいたり。

安全保障に関わるNATO加盟措置はこれほど短縮できたという一方、ウクライナやジョージアのEU加盟手続きが全く進まないのはなぜか。


さて、日本語で「東欧景況」というキーワードを検索すると、Googleに現れる記事は3月のものが大部分。では、有料記事ではいかがでしょうか?

数本は見つかりますが、なんというか・・・資料に活用するには加工し難い、また今後の事業計画の分析に使えるような題材でもないといったイメージです。

そういったことからも、英語でビジネスニュースを読み取れる日本人は重宝されます。

では、日本でも同じみのブルームバーグを見てみましょう。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-05-23/RCBU96DWLU6901?srnd=cojp-v2

経済ニュースなのに短編の記事しかないの?と驚かされる内容です。さらに、「英会話や英語学習の広告」が煩すぎるのも減点とします。

ところが、ヨーロッパ版に映ると長文記事がどんどん表示されます。

https://www.bloomberg.com/news/articles/2022-05-21/global-business-is-enduring-a-synchronized-slowdown-eco-week?srnd=economics-vp

私が景況概要を作成する際に欠かせない情報は、情報は以下となります。

・背景(実績)ー現状ー見通し

・統計データ

・図式解説

上記に歴史的、地理歴、政治的比較や知っておくべき関連事項を記載いただければ十二分となります。

そして、チェコ語のニュースはさらに広告も少なく、経済アナリストのコメント付きというとてもおいしいニュースが多いというのも事実です。

https://www.kurzy.cz/zpravy/652864-zacina-vek-nedostatku-varuje-analyza-bloombergu-odstartuje-jej-zasah-do-svetove-ekonomiky-ve-vysi/#utm_source=box_dole&utm_campaign=rzpravy


欧州の日系企業の一部の従業員も景況は必死で追っています。

大手銀行、ビッグフォー(監査法人)、JETROや商工会、各国の統計局・・・ありとあらゆるサイトから情報を収集していますが、無料で得られる日本語のニュースで事業計画を左右できるはずがありません。

その一方、リーマンショックで浮き彫りになったように、客先が日系企業だけれあれば「食っていけない」という組立て工場も多く、欧米メーカーを主軸にビジネスを展開する日系自動車部品メーカーも増加しています。

コロナにより、多少大胆な経営判断ができたといった企業もあります。では、長引く戦争の影響を加味すると、安い人件費・運営費、(それなりに)良質な人材、客先に近い工場・・・といった魅力を東欧は失ってしまったのでしょうか?

チェコよりもさらに東のルーマニア、トルコ、さらに・・・

全ての製造拠点が移転といったことは絶対に起こりませんが、重要な部品を再び欧州内の工場で生産し始める、逆に、日系企業においては、欧州の拠点を削減しアジアへ移管することもできるでしょうし、さらには、中国依存を減らし南米の拠点を拡大する、日本国内でなんとか対応できないかと国内復興を視野に入れるところもあるでしょう。

または、拠点移転は視野に入れず「サプライチェーンの安定確保」を徹底する、在庫を多めに持つ=倉庫を増やすといった選択肢もあります。

「英語が通じず、政情不安定。」という(多少事実でもありますが)レッテルを貼られている東欧だからこそ、情報が高く売れるという状況が生じているのでしょう。

例えば、サプライチェーンの乱れがVWグループ傘下のSkoda社の生産にも大きな影響を与え、「どのタイプの車」を優先的に生産することで利益を最大化できるかといった分析も当然行われました。その都度、チェコ国内のどの拠点でどの車を製造するか(ラインに変更を加えるか)といった動きが確認できるのも、現地の声が聞こえるからでしょう。

さて、ウクライナに製造拠点を持つワイヤーハーネスメーカーのレオニに関する過去の英語の記事を最後にご紹介いたします。こういった記事に、一日5本タイムリーに目を通すことを日課にすることで、東欧景況の基本情報は読み取れるかと思います。

https://www.reuters.com/business/autos-transportation/vws-skoda-sees-ukraine-war-supply-bottlenecks-impacting-2022-operations-2022-03-22/

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