初任給が25万円?私の答えは決まっています。
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50,000 CZK(約25万円)というと、(当時の税法は異なるものの)手取りはざっくり40,000 CZK(約20万円)。それに微々たる手当と昇給(一ヶ月分の給与)が支給されるというのが一般的。年次給与改訂で3%程度ずつアップするものの、天変地異でも起きない限り、10年後に基本給が二倍になることはありません。
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ベンチマーク
大卒で就職しなかったものの、「従業員になればいくらもらえるのか」チェックは忘れませんでした。
もう15年以上も前の話。
日本語―チェコ語―英語という組み合わせを考慮すると、やはり日系企業に就職するのが妥当。
また、自分を皮肉るわけではなく、シビアに見つめた結果、「言語学をメインで習得した使えない言語バカ」=大卒の時点で特に専門性があるわけではないので、売りになるスキルがあるわけでもない。
それでも、就職すれば50,000 CZK(約25万円)というのが大体の相場。多少低いとこもあるが、これ以上高いところはない。
リサーチ完了。
「さ、就職はやめてフリーランスを継続しよう!」
50,000 CZK(約25万円)というと、(当時の税法は異なるものの)手取りはざっくり40,000 CZK(約20万円)。それに微々たる手当と昇給(一ヶ月分の給与)が支給されるというのが一般的。給与改訂で3%程度ずつアップするものの、天変地異でも起きない限り、10年後に基本給が二倍になることはありません。
有給は20日、大卒でその条件であれば申し分ないのでは???というのが一般的な意見です。
さらに、下記のURLからご確認いただけるように、チェコの給与水準は低いため、「何が不満?」と思われてもおかしくない金額。
チェコ語のサイトですので、自動翻訳を利用しご覧ください。
https://www.denik.cz/ekonomika/mesicni-mzda-vydelek-2021.html
ベンチマークを知ることは重要ですが、低水準に自分を合わせる必要はありません。自分の能力が高く売れると信じているならば、本当に売れるかどうか試してみれば良いわけです。そして、作戦失敗ならば、大人しく水準内に収まれば良い。
ただし・・・自営業に限っては、従業員よりも事務が雑多、外国人で手続きも面倒、それでも採算とれる自信があるならば「Go!」。
私にとってはとてもシンプルな決断でしたが、「そんな考え方すること自体が珍しいね」とよく言われます。
さて、私にとって謎が解けるまでとても不思議だったのが、日系企業に専門性を持たない日本人が就職する時の初任給が50,000 CZK(約25万円)は過去の話ではなく今も健在ということです。
給与の話はタブー?
私の給与情報源は様々です。リクルート会社、知人・友人、クライアント、クライアン先の従業員、ネットワーキングで出会うマネージャーの方々、官公庁の方々など・・・。
あれ、情報源おかしくない?
みんな、給与については話したがらないでしょ?
答えはNoです。
特に、経営者や管理職であればよく理解いただけるかと思いますが、人件費ほどやっかいなものはないですよね。
皆情報に飢えているので、情報交換は大歓迎!
また、クライアント先の従業員の方も、「自分はこんなけしかもらえてないから、社長に昇給してって伝えといて〜♪」など、冗談も含め給与について話が盛り上がることも。
また、冗談ではなくご自身の人生観を話してくださる方もいます。
例)
・ライン作業員の女性
家(一戸建て)も持ってるし、特に稼がなきゃという不安はない。学歴もないしキャリアにも興味がないのでスキルアップなどに時間を費やしたくない。工場で8時間働いて、後はのんびりできればそれでいい。
・間接員の男性(経理)
親の資産があるので特に働く必要はないが、おもしろいことが好き。日系企業、ぐちゃぐちゃでおもしろいね。とってもいい上司(日本人駐在員)に恵まれたから、彼がいなくなる(帰任する)まではここで働くよ。
・間接員の男性(エンジニア)
日系企業は給与が低いんだよね。仕事においては、あれこれと細かいのに。もう一年ぐらい働いたら、絶対他に移るよ。
※管理職においては、上記の例とは少し事情が異なりますが、こちらでの紹介は控えます。
さて、日系企業の事務職や営業職といった「だれでもできる職」の給与水準が上がらないのはなぜでしょう?
例えば、日本人駐在員にかかわらず、プラハ在住の駐在員の賃料を見てみると、月に20万〜50万円払っている家族もみられます。
当然、雇用者負担です。
しかし、プラハで良い所に住みたいと思うのは、駐在員家族だけではありません。
そうすると、25万円で生活をやりくりするには、「家/アパートを所有している(ローン返済)」、または「安い賃貸物件を確保している」ことが最低条件となります。
ただ、ランチは少なくとも千円はかかる。外食、イベント、海外旅行・・・といったように、「人生を楽しもう」という計画を立てると、少し苦しいですね。
子供を持つというライフイベントにおいては、チェコは◎です。
所得に応じ産休手当が支給されると共に、育休は子供が3歳になるまで取得できます。その間も、雇用者から解雇されることはありません。
また、150万円/一人の育休手当が支給されるのは大助かりです。
(2020年までは110万円程度)
市営、国営の幼稚園や義務教育、大学は無償ですので、特殊な進路を選択しない限りは、養育費苦しめられることは特にないでしょう。
十数年経って気づいたことは、プラハの物価が益々上昇しているといった外的要因を加味しても、「専門性のない人材に払える賃金」の上限は変化しないこと。
日本の平均賃金が30年伸び悩んでいることを考えれば、これまた当たり前かもしれませんが・・・一点異なる点は、消費者物価指数を見てもわかるように、日本では物価も上昇していません。
ヨーロッパで色々と現地に足を運んでいますが、プラハに住むよりドイツやスペインの都市に住んだ方が安上がりです。(ミュンヘン、デュッセルドルフ、マドリッドを除く)
また、ビッグマック指数のように日本料理店や食材店の値段からもこのことが感じ取れます。
「プラハのお店ってなんでこんなに高いの?」
答えは簡単、高くても売れるからです。
プラハの不動産事情も異様に見えますが、まだ昔のダブリンの水準には達していません。バブル崩壊前、ダブリンの不動産売買がどのように行われていたかご存知でしょうか?
こちらも、日本であれば想像できない世界の話です。
さて、上記はチェコの日本人社会のほんの一例に過ぎませんが、賃金について纏めたデータは、社会状況、また日系企業といったチェコのミクロ社会と日本の状況とを包括的に見るのにとても役立ちます。
数値は語る。
豊かになったチェコ社会
また、チェコ人においても、「従業員になるのは楽だけど、低い給与に固定給で働くのは嫌だな」と考える大卒の若手は増えてきています。
大卒で親より収入が高い人もいれば、親が資産家の場合には、「子供が好きなことができるように」投資してもらっている方もいます。
チェコ社会も、私が住んでいる間に本当に豊かになったなと感じます。
その一方、貧困層も存在すれば、清掃員、ライン作業員、配達員(トラック/デリバリーのドライバー)という賃金が上昇しない職務も多々あります。
先週、米ウォルマート(Walmart)のトラック運転手の賃金(年収)が、11万ドル(約1360万円)に引き上げられるというニュースを拝見しました。
社会構造が全く違う国のある職種の賃金を引っ張り出してきても、なんの比較にもなりませんが、「賃金上昇」と聞くと、ただ単に「健常だな」と感じます。
さて、日本でも自営業が盛んになってきていますが、個人で維持できる所得水準というのは限られたものです。賃金上昇の牽引は大企業。
利益を減らし、人件費として従業員に還元することをこれほど拒む国(企業体制)も先進国においては珍しいように思えます。
日本企業の取締役にも欧米人が名を連ねるようになりました。そろそろ、抜本的改革の時期が迫っているのではないでしょうか。
そういえば、カルロス・ゴーン氏は、日本脱出後、悠々自適な生活を自国で送られていますね。
コロナで少し忘れ去られたような気がしますが。
本日、Googleアドセンスからメールが配信され、「・・・現状を加味し、現在、戦争を指示するような内容のサイトには広告宣伝料は支払えません」とのこと。
「これまでなら良かったの!?」という私の驚きは隠せません。
TikTokにて、もう時期フォロワー数が2千人に達します。そこで、「皆が皆同じ考え方ではない」ということを動画を通して伝えたところ、おもしろい反応が。
さて、近々「チェコ語学習」および「日本語学習」の有料ポッドキャスト配信を開始します。
ニーズがあることを確認できたため。
とはいえ、オンライン授業の音声版という形は想定していません。
人と違うことができなければ、おもしろくありませんね。
また、速筆訓練も終了しましたので、チェコ統計局のデータ加工付きといった条件も含めて、有料で記事を提供してまいります。
ご要望の方は、コメント欄からご連絡ください!(コメントは一般に公開されません。)
私は、自分の人件費を水準まで落とす気はまだありませんが、老いてくる身としては、稼ぐところでは稼ぐ一方、社会貢献が大事だなぁとつくづく感じます。
金曜日には、ボランティア活動において、TikTok Liveを配信する予定です。
私が参加するとイベントの視聴率(またはPV)が上がるので、どういった効果をもたらすことができるかトライしてみましょう!